銀行カードローンのリスク

2017年7月28日付け日経新聞

「銀行カードローン、ノンバンクが信用保証 過剰融資の温床に

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消費者金融などノンバンクが銀行と組み、個人ローンの損失リスクを肩代わりする「信用保証」を拡大している。5月の残高は前年同月比11%増え、過去最高の約5兆9千億円に膨らんだ。高利であっても借りざるを得ない個人らの切実な需要がそれだけ多いことの裏返しだが、銀行はノンバンク規制の適用対象外だけに、与信管理の甘さを懸念する声もある。

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最近、銀行カードローンのリスクが声高に叫ばれています。

以前にもこのような記事がありました。

 

2017年7月19日付け日経新聞

「気づけば借金膨張 銀行カードローン、手軽さ裏目」

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無担保でお金を借りられる銀行のカードローンで多額の債務を抱える人が増えている。多重債務問題などを受けて消費者金融への規制が強化されて以降、利用者が急増。気づいた時には返せる限度を超えてしまい、自己破産する人も目立つ。日本弁護士連合会は融資に上限を設けるなど消費者金融並みの規制の導入を求めており、銀行側も対策を急いでいる。

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消費者金融(武富士やアコム、アイフルやレイクなどありますが)については、かつては利息制限法を超える金利をとり、その返済に苦しんだ人が多くいたことはよく知られています。

そして、利息制限法を超える金利の回収が違法となり、弁護士業界に過払いバブルがあったことまで知っている人もいるかもしれません。

(私は残念ながら、弁護士になったときには過払いバブルは終わっていました…)

 

それでも消費者金融の身軽さに手を出し、結果的に返済に苦しむ人は減らず、そのための対策として貸金業法に「総量規制」が加えられました。

総量規制のおおむねの目線は「収入の3分の1までしか貸せません」ということです。

 

ただ、その対象には銀行のカードローンは含まれていません。

銀行も貸出先が減って困っていますので、新たな商品として売り出してきました。

そして、その銀行カードローンの保証業務で消費者金融が稼いでいる…ということです。

借入をする人は、消費者金融に保証してもらうために保証料を払い、それで稼ぐわけです。

 

「銀行」という看板があっても、返せなくなれば債権がいきつくところは同じです。

保証した消費者金融が立て替え払いし、そこから求償権として請求されます。

 

金利も年利10%くらいのようですが、これも相当厳しい設定です。

20万を借りて1か月後に返すとすると、20万×10%×1/12=1,666円が利息です。

しかし、1年の時間をかけて返すとすると、2万円が利息です。

毎月の資金繰りを考えた時に、2万円がどれだけ重たいか、よく考えてみないといけませんね。