法人破産は個人破産とは違いがあります
今日、東京地方裁判所の中目黒庁舎で行われた、法人とその代表者の方の債権者集会に出席してきました。
中目黒庁舎には、都内に本社があった会社の破産でいくことがしばしばあります。
法人破産の手続では、会社そのものの破産だけでなく、代表者個人の破産もあわせて進めることが一般的です。
特に中小企業の場合、会社の借入れについて代表者が連帯保証をしていることが多く、会社の事業を止めるだけでは、代表者個人の債務の問題が残ってしまうからです。
そのため、法人破産を検討する場合には、会社の財産、負債、売掛金、買掛金、リース契約、従業員、取引先、税金、社会保険料、代表者保証など、さまざまな問題を整理しながら進めていく必要があります。
ですから、法人破産には、個人破産とは異なる難しさがあります
たとえば、会社には従業員がいることがあります。
その場合、給与、解雇予告、未払賃金、退職に関する手続などをどのように整理するかが問題になります。
また、取引先との関係もあります。
仕入先、外注先、販売先、賃貸人、リース会社、金融機関など、会社が関係している相手方は多岐にわたります。
さらに、会社の財産についても、預金だけでなく、売掛金、在庫、機械、車両、什器備品、保証金、保険など、さまざまなものを確認する必要があります。
そのため、法人破産は、会社の状況を正確に把握し、関係者への影響を考えながら、着実に進めていく必要があります。
法人破産は、個人破産と比べると、取り扱う事務所が限られる分野だと思います。
その理由は、法律の知識だけではなく、会社の実態、資金繰り、決算書、税務、労務、取引関係などを総合的に見ていく必要があるからです。
また、申立ての準備段階でも、資料の収集や関係者への説明、事業停止のタイミング、従業員対応、売掛金の回収可能性、在庫や備品の扱いなど、実務的な判断が必要になる場面が多くあります。
特に、会社の代表者の方にとっては、法人破産は非常に大きな決断です。
「いつ事業を止めるのか」
「従業員にはいつ、どのように説明するのか」
「取引先にはどのように対応するのか」
「自宅や家族への影響はどうなるのか」
「代表者個人も破産する必要があるのか」
こうした点を一つずつ整理しながら進める必要があります。
法人破産の案件を取り扱うことのできる事務所
当事務所では、法人破産の案件を継続的に取り扱ってきています。
売上規模についても、比較的小規模な会社から、一定の売上規模がある会社まで、会社の状況に応じて対応してきました。
法人破産では、会社ごとに事情が大きく異なります。
従業員がいる会社もあれば、いない会社もあります。
店舗や事務所を借りている会社もあれば、そういった場所を持たない会社もあります。
その他にも、在庫を抱えているか、売掛金が残っているか。
さらには、金融機関だけでなくリース会社からの借入れがあるか、代表者保証があるか。
ですから、同じ「法人破産」といっても、実際に確認すべきポイントは会社ごとに違います。
そのため、当事務所では、まず会社の状況を丁寧にお聞きし、決算書、試算表、借入明細、債権者一覧、契約関係などを確認しながら、今後の進め方を検討しています。
法人破産を扱う上で、私が大切だと感じていることの一つに、会計・税務の理解があります。
法人破産では、決算書や試算表を確認する場面が多くあります。
貸借対照表、損益計算書、勘定科目内訳書、借入金の明細、売掛金や買掛金の状況などを見ながら、会社の財産や負債の状況を把握していきます。
もちろん、弁護士が税理士の仕事をするわけではありません。
ただ、弁護士自身が決算書を読めること、税理士さんと直接話をして内容を理解できることは、法人破産を進めるうえで大きな意味があると感じています。
会社の数字を見ながら、
「どこに財産が残っているのか」
「回収できそうな売掛金はあるのか」
「買掛金や未払金はどの程度あるのか」
「税金や社会保険料はどれくらい残っているのか」
「銀行はどこと付き合いがあるのか」
「代表者への貸付金や役員借入金はどうなっているのか」
といった点を確認していく必要があるからです。
また、税理士さんとスムーズに連携できると、資料の確認や会社の状況把握が早く進みます。
法人破産では、弁護士だけで完結するのではなく、税理士さん、社労士さん、不動産業者さん、場合によっては金融機関や取引先とも連携しながら進めることがあります。
その意味でも、法律だけでなく、会社の数字や実務の流れを理解していることは重要だと考えています。
早めのご相談が大切です
法人破産のご相談では、もう少し早い段階でご相談いただけていれば、選択肢が広かったかもしれないと感じることもあります。
資金繰りが完全に行き詰まってからでは、従業員への給与支払い、事業停止のタイミング、取引先への対応、申立費用の確保などが難しくなることがあります。
もちろん、ぎりぎりの状況であっても対応できることはあります。
ただ、法人破産を検討する場合には、できるだけ早い段階で、会社の資料を持って相談していただくことが重要です。
「まだ破産すると決めたわけではない」
「廃業するかどうか迷っている」
「資金繰りが苦しく、今後が不安」
「会社を閉じた場合、代表者個人がどうなるのか知りたい」
このような段階でも、ご相談いただく意味はあります。
会社を続けるのか、廃業するのか、破産を選択するのか。
その判断をするためには、まず現状を整理する必要があります。
法人破産は、会社にとっても、代表者にとっても、とても重い手続です。
だからこそ、場当たり的に進めるのではなく、会社の状況を確認しながら、着実に進めることが大切です。
法人破産や事業の廃業についてお悩みの方は、お早めにご相談ください。
