こんにちは。
今回は、知識というよりも、私が相続の仕事において大切にしている「納得を目指す」という姿勢について、ある事例を通してお話ししたいと思います。
1 「疑心暗鬼」が手続きを止めてしまう
以前、あるご親族の相続をお手伝いした時のことです。
相続人は10名を超える甥御さん、姪御さんたち。皆さんそれなりのご年齢で、比較的付き合いはあるものの、これまでの人生の歩みもバラバラといった関係でした。
法律上の分け方(法定相続分)は非常に明確です。ただ、問題は「感情の壁」でした。
一部の親族間で関係が悪化しており、お互いに「相手が何か隠しているのではないか」「自分たちだけ損をするのではないか」という強い疑念を抱かれていたのです。
2 あえて「相手方」の話に耳を傾ける
私はこの時、ある確信を持っていました。
それは、「このまま感情的に対立し続けて紛争が大きくなっても、誰一人として幸せになれない(メリットがない)」ということです。
そこで私が行ったのは、依頼者様はもちろんのこと、本来は「反対側」にいる相続人の方々に対しても、多くの時間を割いてじっくりとお話を伺うことでした。
「敵」として接するのではなく、一人の専門家として誠実に、現状とリスク、そして解決のメリットを説明し続けました。電話はもちろん、対面でも話をし、丁寧に疑問に答えることで、少しずつ「この人の言うことなら信じてみようか」と思ってもらえるようになっていったようでした。
3 「最適な解決」のためには、全員の納得が近道
結果として、当初は頓挫しそうだった遺産分割協議は、最終的に全員の合意で幕を閉じることができました。
相続においては、時に「相手を負かすこと」よりも「全員が納得して次に進める状態を作ること」の方が、依頼者様にとっても最大の利益になることがあります。
必要以上に対立を煽らず、複雑に絡まった感情の糸を一本ずつ解いていく。それが私の考えているポイントです。
相続は、家族の歴史がぶつかり合うデリケートな場面です。
「親戚や兄弟同士で揉めそうで不安」「話し合いが進まない」という時は、一度ご相談ください。
法律の知識はもちろん、皆さんが穏やかな明日を迎えられるような「心の通った解決」を提供できるよう、対応いたします。
