<2017年7月24日付け時事通信>
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過払い金返還をめぐり、司法書士が関与できる債務整理の上限額(140万円)を超えた和解契約の有効性が争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(池上政幸裁判長)は24日、「公序良俗違反など特段の事情が無い限り、無効とはならない」とする初判断を示した。その上で和解は無効とした二審判決を破棄し、有効とした一審の判断が確定した。
最高裁は昨年、司法書士が担当できる業務範囲について、「個別の債権額が140万円を超える場合は裁判外の和解を代理できない」と初めて判断した。しかし、業務範囲を超えて結ばれた和解自体の有効性は下級審で判断が分かれていた。
今回の訴訟では、過払い金約330万円の返還を求めた富山市の男性に対し、貸金業者側は提訴前に司法書士を介して結んだ200万円の和解契約が有効だと主張。一審富山地裁は和解が有効として男性の訴えを退けたが、二審名古屋高裁金沢支部は無効と判断した。
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「140万円を超える和解を司法書士はしてはいけないけれど、してしまっていたらそれはそれで有効」
ということです。
この判断が出される前提として、下記の判決があります。
<2016年6月27日付け毎日新聞>
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司法書士が弁護士に代わってどこまで債務整理を担えるかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(大谷直人裁判長)は27日、「債務額(借金額)などが140万円を超える場合は司法書士は担当できない」とする初判断を示した。この問題では日本弁護士連合会(日弁連)と日本司法書士会連合会(日司連)の主張が対立していたが、日弁連側に軍配が上がり、司法書士の業務範囲が狭まることになる。
2002年の法改正で、司法書士は簡易裁判所の民事裁判にも代理人として関与できるようになった。簡裁が扱えるのは請求額の上限が140万円の案件のため、裁判外の債務整理でも司法書士が扱えるのは140万円以下とされる。
この140万円の解釈について、日弁連は「借金額が基準」、日司連は「債務圧縮や弁済計画の変更で依頼人に生じる利益が140万円以下なら代理できる」と主張していた。
判決は「司法書士が代理できる範囲は客観的かつ明確な基準で決められるべきだ。和解が成立して初めて判明するような、弁済計画の変更による経済的利益の額で決められるべきではない」と判断した。非弁活動で損害を受けたとして、和歌山県の男性が司法書士に賠償を求めた訴訟で、司法書士の賠償額を日弁連側の主張に沿って約240万円とした2審判決が確定した。
判決後、日弁連は「市民に分かりやすく、法の趣旨に沿った妥当なものと考えている」とコメント。日司連は「我々の主張が認められなかった部分があることは極めて遺憾。判決を厳粛に受け止め対応していく」とした。
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ざっくりいえば、司法書士は個別の借入れ(債権)が140万円を超えた場合には関与したダメですよー。
ということです。
これの根拠は司法書士法で、認定された司法書士には簡易裁判所での代理権が認められており、その簡易裁判所で扱える訴額の基準が「140万円」なのです。
正直なところ、敷居も低く感じられ、登記実務に強く、書類の作成などの最も手間のかかる部分を代わりに対応するということで、中小企業に入り込んでいる司法書士さんも相当見かけました。
弁護士も、頭を使うのはもちろんのこと、いわゆるBPO先として活用してもらえるような働きをしていかないといけないなあと思っています。
コンサルタントとして、皆さんの「手間」を省くことができるような仕事をしていきます。