<建物明け渡し>

【状 況】

 金融機関の紹介で購入した物件でしたが、従前の居住者が退去しないままとなっていて、家賃なども払われない状況が続いていました。

 

【対 応】

 連絡文書にも反応がないままだったため、訴訟を提起して明け渡し請求を行いました。

居住者は裁判所に出てきましたが、手持ち現金がなかったことから、依頼者と相談の上で退去を最優先し、退去した場合には未払賃料の相当額を免除する内容で和解し、早期の明渡しを実現しました。

 

【ポイント】

 賃料相当損害金の獲得は現実的に難しいという判断に加え、賃貸人と賃借人が昔からの知人であったという事情から、退去を優先しました。

 結果として、別な入居者を入れることが可能となり、損害を縮小することにつながりました。また、地域性や人間関係などを考慮して、権利をどの程度行使するかも検討しました。

多面的に事案を検討することが重要になることもあります。